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○○蔵
○○の部分が、所有者を指します。その作品が今どこにあるのかを書き表すときに、『ルーブル美術館蔵』などと表記します。『作家蔵』とある場合、作家の手元にある作品、つまり売れていない作品ということになります。私の場合ほとんどがそうです……。
裸 婦
文字どおり、ヌードの人物画です。美大などではあまりヌードという表現は聞かれなかったので、専門用語といえるのかも知れません。
ポーズ
勿論、写真に撮るときや、絵に描くときのモデルの姿勢のことを指しますが、絵を描くにあたって、モデルさんがポーズをとること自体の意味でも使われます。一枚の人物画が完成するとき、絵描きにとっては作品の完成ですが、モデルさんにとってはポーズが終わるという事になります。
彩 度
色の鮮やかさのことです。色彩学上は「どの色が彩度○○」というように、数値が与えられています。簡単にいうと、鮮やかで混ざり気のない色は彩度が高く、地味で濁った感じの色は彩度が低いと思えば良いでしょう。また、原色(絵の具をチューブから出したままの色)は彩度が高く、絵の具を複数混ぜるとだんだん彩度が低くなると解釈することもできます。
ライティング
絵を描くときや、写真を撮るときなどに、意図的に光源の位置や角度、強弱などを設定することをいいます。自然光の場合でも、モデルさんや描き手の位置を光の当たり具合を基準にして決めるのであれば、意図的なライティングと言えるでしょう。
コスチューム
一般的には、衣装という意味ですが、絵画の世界では特に、人物画のモデルさんがポーズの時に着用する衣装を指します。別にアニメキャラの扮装だけがコスチュームではありません。
自然光
要するに太陽の光のことです。昼間に描く絵は主に自然光で描きますが、夜など太陽の光で描けないときに、蛍光灯や白熱灯の光をたよりに絵を描く場合は、室内光で描くといいます。
デッサン(力)
デッサンはフランス語で素描の意味です。ソビョウといわれてもピンと来ませんが、基本的には着彩を施さない、鉛筆やパステルなどを用いた、単色の絵画を意味します。
デッサン力という場合、基本的には技術的な力量を意味しますが、手先の技術だけではなく、観察眼や、モチーフの構造や状態を把握する能力も必要とされる能力なので、含蓄の深い言葉です。
サムホール
キャンバスの規格で、2号にあたります。1号は葉書一枚分くらいの大きさです。既成のキャンバスには、S(正方形“squere”のS)、F(人物用、“figure”のF)、P(風景用、“paysege”のP)、M(海景用、“marine”のM)などがあり、SからF、P、Mと、縦横の比率が長細くなります。なぜ2号だけサムホールというのかは、調査中です。
コンクール
周知のコンクールの意味で解釈してもよいのですが、絵画の世界では、公募団体(二科会、国画会など)が主催していない、美術館やデパートなどが主催する美術展を区別する意味で用いるようです。
オマージュ
美術に限らず、音楽の世界でも耳にする言葉ですが、人物や事物に対して敬意を表する意図で制作された作品を指します。
ディティール
細部の意味です。ただの英単語ですが、私の『小技』を語る上では大事な言葉なので、一言コメントします。
グリザイユ
絵の具の白と黒だけ用いるグリザイユという技法のことを指します。グリザイユは、色に惑わされず、油絵でデッサンをするつもりで描く練習をするための技法で、一般に習作(作品として描くのではなく、技術的な練習などのために描く絵)として描かれます。カラー写真が当たり前な時代に、白黒写真はレトロな雰囲気が感じられますが、それと同様な効果を狙って用いられることもあります。
パース
パースペクティブの略で、遠近法、透視図の意味です。例えば、立方体を描くとき、本来平行線であるはずの辺を、任意の点(消失点)から放射状に延長した線と重なるように描きます。説明が難しいので、詳しく知りたい方は、専門書をご覧下さい。
パースが狂わないように描くのはデッサンの初歩ですが、絵の一部分にばかり集中して描くと、しばしば狂います。
変色
油絵の具は、岩石の粉、金属元素、煤など、様々な顔料や染料を原料に作られており、変色、退色することがないように作られていますが、混ぜた絵の具の組み合わせによっては化学変化が起きますし、絵の具によっては何もしなくても時間が経つと変色するものもあります。
速乾剤などを混ぜても、変色したり、退色したりすることがあります。 それらを熟知しないままに油絵を描くと、『布團』のような変色が起こります。この場合は、化学変化ではなく、絵の具の性質なのだと思いますが…。
卒業制作
学科にもよりますが、芸大や美大では、卒業論文の代わりにこれを卒業時に提出します。美術系大学生の卒論といえるでしょう。通称『卒制』です。
これが始まると、美大生はみんなピリピリするので、大半が思い詰めた表情になり、アトリエではもめ事が起きたりします。私は、自分のアパートで、モデルさんと楽しく制作していましたが。
エスキース
フランス語(esquisse)で、習作や下絵などと訳します。下絵を描くことを「エスキースをする」と言います。私など、これを充分にしなかったため、絵が仕上がる頃に「ダメだこりゃ」と思う事がよくあります。
モチーフ
本来は、動機、主旨などの意味ですが、美術の世界では描いたり作ったりする対象や、物のことを指す場合もあります。モデルさんなども、そういう意味ではモチーフと言えます。
テンペラ
油絵に使われているものと同じ顔料を、卵の黄身(白身や油が含まれることもある)と混ぜ合わせ、それを絵の具として描く技法で、油絵が開発される前は、中心的な技法でした。油絵ではポピーオイルやリンシードと呼ばれる画用油が顔料を固着させる接着剤の役割を果たしますが、テンペラでは卵の黄身などが、接着剤となるわけです。