清里の小川|常設展・代表作(水彩)

清里の小川

F6 (32×42) 1986年 透明水彩/パステル 作家蔵

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今はどうか分かりませんが、ムサ美の油絵科には、大学一年生の夏休みに、清里の『清里寮』という宿泊施設で『風景ゼミ』という自由参加のゼミがあり、これに参加して描いた絵です。
ゼミとは名ばかりで、参加した学生の大半は(同行した教授たちも一緒になって)、夜は飲み会、昼は雑談と遊びほうけていて、私も大差はありませんでしたが、「折角スケッチに来たのだからしっかり描き込んだスケッチを」と思い、描きました。スケッチしていた学生も何人かいましたが、作品をズラリと並べて講評……という、ゼミらしいことは行われませんでした。
友人たちに作品を披露していたところ、教授が覗き込み、「良く描けているね」と、大学に入って初めて、直々にお誉めの言葉を頂けた絵ではあります。今となっては、水面の表現を始めとして稚拙さが目立つ絵ですが、鬱蒼とした山中の小川の臨場感はそこそこ描けていると思います。